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開発スタッフが交替で開発秘話や思った事を連載していきます。
第4回
「ドライブゲームの黒歴史 その1」の巻
みなさまこんにちわ。

エグゼクティヴなプロデューサー業務を四苦八苦しながらなんとか遂行中のコヤマンです。

今回は、ドライブゲームの歴史についてちょこっとお話しますね。
ナムコ50周年ですものね。
ナムコもついに50歳ですよ!
50年といえば半世紀ですよ!
信長も言ってました「人間50年・・・」
ハッ!話が光栄方向にそれるとこだった。
さて、なんの話でしたっけ?

そうそう、ドライブゲーム黒歴史研究家のコヤマンが知識をひけらかすんでしたっけ。


実はドライブゲームってゲームの中でも特に歴史の古いジャンルなんですね。

初のハンドルがついたコクピット型ドライブゲームなんてビデオゲームじゃないんですよ!
びっくりコナミですよホント。

むかーしむかーし、30年以上前、ナムコがまだ木馬工場だった頃、
って言ってもジャブロー・・・じゃなくて、
コンピューターがまだペンタくん・・・、じゃなくて、
ペンタゴン(米国防省)にしか無いような時代に100円で運転体験ができるゲームが矢口の渡で作られてたんですねー。
知らなかったでしょー 今、ヘェー♪ヘェー♪って何回押しました?

ナムコでは投影技術って言っているんですが、これが凄いんです。

ミニチュアの模型世界を拡大して大スクリーンに映し出す技術なんです。

うぅぅぅー詳しく構造を説明したくなってきちゃった。(文章だけでうまく伝わるかなぁ〜)

まず、ハンドルを回すと連動して左右に動く棒があって、その先にミニチュアのマイカーが固定されてます。このマイカーをハンドルで操作して、ミニチュアコース上を走るんですね。

このミニチュアコースはモーターで制御されてて、アクセルに反応して早く動いたり遅く動いたりするんです。
わかります?
想像できてます?
おーぃ!ついてこれてますかぁー?
でですね、コース上にはアザーカーが固定されて・・・
もうおわかりですね。
そうマイカーを操縦してアザーカーを避けるゲームなんです。

うーむ、この時代にしてマキシの基礎要素がしっかり網羅されてるなーとつくづく関心するコヤマンです。
ハッ!

みなさんの頭にはトップビュー(上から見た)の景品コーナーにあるような、お子さまゲームが浮かんだでしょー

ベルトに道の絵が書いてあって、おもちゃのクルマにアンパンマンとか乗ってて・・・ボンボロ、ゴロゴロ、遊ぶあんなゲームなんだろ?
って、心の中で馬鹿にしたでしょー
違う、違う
全然、違うのッ
3Dの奥行きのある画面なのッ

左コーナーの奥から小さく見えたアザーカーがどんどん大きく迫って来るんだよー

それをハンドルさばきでよけるんだよー、凄いスリルを体験できるんだよー
どんどんスピードが上がるし、ドキドキハラハラするんだよー
ぶつかるギリギリで避けまくり、効果音も迫力満点なのです。
左コーナーしかないんですけど・・・
そんなゲームがあったんです。

モニター映像を使わないメカとデンキ制御で出来てるゲームなので、エレメカって呼んでます。ひとつ賢くなったでしょ。

でね、それからちょっとたっていわゆるTVゲームがゲーセン登場したのですねー

ブロック崩しとか、社会現象を起こしたインベーダーとか、とにかく映像で遊べるって事にびっくりしたもんです。(しみじみ・・・)

ほいでもって、当然ドライブゲームも映像化されていったのね。

最初はそれこそトップビューの上から降ってくるアザーカーをハンドルで避けるゲームだったんだけど、あるゲームが革命を起こしました。
それが「ポールポジション」!
知ってますかー?

サーキットをレーシングカーで周回するゲームなんだけど、当時はその映像に驚いたもんです。

リアビューのマイカーをハンドルとアクセルとギアをつかって操縦し、色々なコーナーを攻めながら次々と迫るアザーカーを抜いて順位をあげていく・・・

今日のドライブゲームの基礎がここで確立された伝説のゲームなんです!
今から20数年前の話です。

当時このゲームをプログラムした人が上司でいるんですが(今はすっかり爺さんです・・・やべっ・・・イイ意味でですよー)、その人と飲んだときにポールポジションの事聞いたんですね。

そしたらアンタ!エンジントルク性能、グリップ摩擦係数、フレーム剛性、サスペンションストローク、なんと空気抵抗まで、車を構造的に捉えて性能パラメータを設計したんだって言うじゃありませんか?

2Dゲームの時代にすでにゲーム世界を3D空間として構築していたんですねー。

レトロなゲームなんて所詮・・・爺さん・・・ぶつぶつ・・・と思ってたコヤマンは衝撃を受けました。
もう、ハハァ m(_ _)m ペコリって感じです。


ほいでもって、しばらくしたら、またまたドライブゲームに革命が起こったんです!
それが「ファイナルラップ」!

コヤマンがゲームの存在を知ったのは、まだ苦学生の頃、なんかの雑誌でスクリーンショットがあったんですね・・・んで・・・当時の感想なんですけど・・・

「なんじゃコリャ?時代が戻ってるぞ?ただのポールポジションじゃん。」

世はスペースハリアー、アウトラン、アフターバーナーとか体感ゲーム全盛期。

美麗なグラフィックと斬新なテーマの体感ゲームが次々と出現して「ゲーセンからアミューズメントへ・・・」なんて言われはじめた教科書にも載ってるバブル景気時代です。

そんな華やかな中にポールポジションみたいな画面のゲームが写ってたんですから・・・

「なぁんだナムコって地味だナー、俺はやっぱりセガファンだね!」正直ガッカリしたのでした。

しかーし、実際にゲーセンにいってまたもや衝撃を受けたのです。

8台のゲームコクピットがずらーりと並び、その後ろには長蛇の列!

そして、ゲーセンの店員がマイクでレースの実況中継をしているではありませんか!

「通信対戦」!

いままでコンピューターが操るアザーカーと戦うのが当たりまえだったゲームの画面に、人間が操縦するレーシングカーが出現しているんです!
それはそれは衝撃でした。
「あっ!この黄色いクルマ、オマエか!」

「コヤマンのクルマ怪しい動きしてるぞ、ジャマだジャマだぁぁぁ!」

友達の画面に自分が操縦するクルマが映っているのがめちゃめちゃ嬉しかったですねぇ。
なんかテレビ番組に出演したような興奮を覚えました。

・・・ナムコごめんなさい。画面の印象だけで判断したコヤマンが浅はかでした。と思いつつ、人と人が競う面白さにはまってしまいました。
通信対戦の素晴らしさを堪能していたコヤマンですが、

実は、このゲームには後のドライブゲームに多大な影響を与える素晴らしい発明が仕込まれていたのです。
それが「ラバーバンド効果」です。
ファイナルラップ効果とも呼ばれています。
はて?なんのことやら?聞いたこともないゾ?
ごもっともです。
だって隠されていたんですから・・・

ちょっかい出して帰ってきた者の居ない、ドライブゲーム業界のブラックホール、アンタッチャブル、ドライブゲーマー補完計画、モホロビチッチ不連続面・・・封印された秘密の隠し味、毒にも薬にもなる・・・

そこまで引っ張るネタでも無いだろッ!と関係各者からお叱りの声が出そうなので簡単に説明をしますね。

「スローカーブースト」「馬力ハンデ」と言えばおわかりですか?

そうです、「遅い人ほど車の性能が上がって追いつきやすくなる」っていう・・・例のアレですよダンナ。(囁き・・・ひそひそ)

ムムム・・・なんかこの話をすると、戸締まりをして明かりを消したくなっちゃう。

やっぱし、プレイヤーに気付かれないようにクルマの性能を上げたり下げたりしてるって言う行為が背徳感あるんでしょーね。

・・・んで、コヤマンはまたもや飲み会で恐る恐る創った上司に本音を聞いてみました。

まずジョッキをゴクゴクと、酒ラバーバンドでブーストアップ!

大井Uターンをなんとか回って横羽(天王州)と合流だぁー!シフトを6速に叩き込みつつアクセル全開!偉い上司にゴォォォーと急接近!ジャジャジャジャン♪ジャジャジャジャン♪湾岸Rのライバル出現BGMが鳴ってます。
あひぃぃぃ・・・大胆にも単刀直入に聞いちゃった!
 
「ラバーバンドってなんで付けたの?プレイヤーをだましているんですか?ゲームって実力勝負の世界じゃないんですか?」

嗚呼・・・無謀にもノーマルコヤマン号は、280馬力で悪魔のZにバトルを申し込んだのでした・・・ガリガリと削られてアボーンなのかーッ

意外にもセブン上司は天使のような人でした・・・
セブン>「おもてなしダヨ」
コヤマン>「・・・?」

セブン>「ナムコは王様を喜ばすケライなんです!おもてなしの精神、Willの精神の表れなんです。」
コヤマン>「@%$???」

とみなさんもM78星雲のトークは、わかりにくいと思うので翻訳しますね。


ナムコ研究所内でファイナルラップの通信対戦が完成しメンバーで喜々として遊んでいたある日の事、あまりの面白さに自信満々のセブン上司は、社内発表をすることにしたそーです。

社内発表に来る人って、開発メンバーだけじゃなくて、ゲームの販売の偉い人から若い人やゲームセンターの運営の人、事務の女性まで様々なんですね。

そんな老若男女がこの発明にさぞかし驚嘆するだろうナって思ってたそうです。
それが、結果は散々だったんだって!

8人が8人それぞれがみーんな1人で走っている状態だったそうです。
挙げ句に「これじゃポールポジションより面白くないヨ!」
がーん!
そんなぁ〜
さぞかしショックだったでしょうね。

「おまえらが下手だからだヨ!もっと上手いプレイヤーを相手にすんだ!ゲーセンにも行かないくせに!」って単純なコヤマンなら激怒しちゃうところなんだけど。
セブン上司は違ったんです。

「プロレーサーは高度な訓練を積んだ腕の差が非常に接近した人たちなんだ、作りて手の自分たちも相当やりこんで上手くなっているから、ファイナルラップではプロレーサーと同じだ、だから抜きつ抜かれつを楽しめるんだ!」

「お客様の運転技術は、ホントにバラバラだ。うまい人もいれば下手な人もいる。このままゲームセンターに置いたらほんの一握りの人しか楽しめない。我々ナムコはみんなに楽しめるようにゲームを調整してきたじゃないか!なのに楽しい時が偶然的な発生で良いわけが無いーッ!」
謙虚ですねー
偉いですねー
熱いですねー
そんなところから、ラバーバンド効果が発明されたそうです。

最終的に運転技術の高い人が勝てるようにラバーバンド効果を調整するのは相当大変だったようです。
色々な苦労があったんですねー、プロジェクトXみたいです。

そんな「おもてなし精神」のおかげでプレイヤーコヤマンは、いつもギリギリの接近戦バトルを楽しむことができたのでした。

さらにコヤマンが感心するのは、それを創った方々がご健在で今もナムコで働いているって事です。
素晴らしいことですね。

そんな諸先輩から色々教わりつつゲームって開発できるなんてなかなかイイ職場でしょ!
50周年も伊達じゃないんですね。

・・・その後、

コヤマンが入社した年・・・またまたドライブゲームの技術革新が起こるのでした・・・
その名も「ポリゴナイザー」
この続きは、また今度ね!
See you again! 
バイバーイ!
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