新業態である『バンダイナムコCross Store』全体のプロデュース補佐を担っています。ブランドの戦略策定や数値計画設計のほかに、店舗運営マニュアルやツールの整備、運用フローの作成といった、本部と現場の間に入って円滑に店舗運営をするための整備業務も行っています。

バンダイナムコグループ各社が展開しているキャラクター、商品、イベント、飲食などが集合した、体験型リテール施設です。各ブランドのオフィシャルショップ、namcoや『ガシャポンのデパート』のほか、IP※イベントも多数開催。特定のIPのファンの方や、比較的年齢層の高いコレクターの方、ご家族連れまでそれぞれの楽しみ方で満喫していただける空間です。
特長はいろいろありますが、強みをひとつ挙げるとすれば、グループ各社と協働していることです。私たちだけではできないことも、グループ各社と一緒なら実現できます。例えば、オフィシャルショップで販売しているカードゲームの体験会をイベントエリアで開催したり、IPイベントと連携した商品の展開も可能です。グループ各社がリアルな場に集まっていることで、お客様の体験価値を最大化できる施設だと思っています。

まず立地としては、『バンダイナムコ Cross Store 横浜』は別施設を転換していますので、敷地の広さや建物の構造などの制約条件のもと設計するところからスタートしました。そのうえで全体コンセプトやサービスの内容、各コンテンツのバランスを考えます。
店舗の集合体のような空間なので、各ブースの内装設計が決まり、什器や商品を搬入して…という全体進捗を確認しながら、全店舗が万全の状態でグランドオープンを迎えられるようにフォローをするのが私の役目でした。新規事業は、言うなれば全員が初心者なので、細かい役割が判然としていなかったり、担当者が曖昧な業務があったりしがちです。また本部と店舗との間で、伝達漏れや認識違いが起きる可能性もありますので、不明点を明確にする、落ちているボールはできるだけ拾いにいくということを常に意識していました。
オープンした時は、とても嬉しく、同時にホッとしました。多くのグループ会社や部署と協力してつくり上げるからこそ、万が一にもオープン日がずれてしまうと、影響が出る範囲もかなり広くなってしまいますから。大きなトラブルもなく、予定通りに開店し、お客様をお迎えできたことは、本当に良かったと思います。

“オフィシャル”という立ち位置に裏打ちされた期待感に応えることが、当施設の一番の役割だと考えています。例えば、イベントの企画力や商品の提供量です。直近では『ONE PIECEカードゲーム』の商品が人気の高さゆえに全国的に品薄になっていますが、バリューチェーンの強みを生かした商品供給ラインを確保し、オフィシャルショップではなるべく品切れにならないように販売できています。「今までどこへ行っても買えなかったけど、初めて買えました」というお声も頂戴しました。
今後も「オフィシャルショップだから、在庫があるよね」「最新の情報が揃っているよね」とワクワクしながらご来店いただき、期待にしっかりと応えたいです。

※IP：Intellectual Property の略で、キャラクターなどの知的財産のことを指します。