業態をプロデュースする立場としてBANDAI SPIRITSや各業務の担当者、スタッフ一人ひとりと向き合う場面が増えたことが、一番の変化ですね。
１つの施設でも、異なる背景やスキルを持つさまざまな人が集まっています。全体を俯瞰し、人材や商品、サービスに最適なマネジメントを行うことは簡単ではありませんが、奥が深くて面白いと感じます。メンバーが力を発揮できる方法を編み出し、活躍してもらうことで、お客様にご満足いただく。それがプロデューサーという仕事の醍醐味かもしれません。

また、私が過去に担当した「TONDEMI」「あそびパーク」は、特定のキャラクターがいない “ノーIP” 施設でした。今回、バンダイナムコグループを代表する「ガンダム」を掲げた「THE GUNDAM BASE SATELLITE」に携わったことで、視野を広げられたと感じます。

本社は東京、店舗は名古屋・京都にあるので確かに離れていますが、直接訪問することを大切にしています。滞りなく運営し、お客様に楽しい時間を過ごしていただけるよう、物流、商品の陳列、BANDAI SPIRITS担当者との連携など、会うたびにきめ細かく打ち合わせをします。
とはいえ、ずっと近くにいられるわけではありません。限られた時間のなかで、効果的なコミュニケーションをとることは常に意識しています。コミュニケーションを通してプロデューサーが相手の個性や得意を見極め、本人が納得できる提案を行うことが大切です。それができていれば、たとえ距離が離れていても、最大のパフォーマンスを主体的に発揮してもらえるのではないでしょうか。

まず私が出向する意義として、バンダイナムコアミューズメントと、プラモデルやフィギュアといったIP商品に強みをもつBANDAI SPIRITSとの連携を深め、パートナー関係をより良くする役目があると考えています。そのために、自分が培ってきた施設開発や店舗運営のノウハウを提供し、BANDAI SPIRITSのメーカーとしての知識はどんどん吸収したいです。双方の強みを掛け算して、2倍にも3倍にも大きくできたらすばらしいですね。
私自身としては、開発からメーカーへと立場が変わることで、異なる視点で、新しいアイデアが生まれてくることに期待しています。

「THE GUNDAM BASE SATELLITE」では豊富な商品を取り揃えたり、かっこいいサンプルを展示したりと、お客様の“作る楽しさ”に貢献できるサービスを日々ご提供しています。今後はデジタルを導入したり、他社との連携を増やしたりと、グループが持つパワーをさらに活用していきたいです。そしていつか、運営・開発・メーカーといった機能を網羅するプロフェッショナルとして、バンダイナムコグループ全体を巻き込んだ施設をつくることが夢です。

私たちは、目の前にいらっしゃるお客様に楽しんでいただくのはもちろんのこと、先の未来を見据え、エンターテインメントを進化させ続けなければなりません。未来のお客様やこれから生まれてくる子どもたちに、もっともっと楽しい時間や体験をお届けできるように、自ら学び、新しいものを生み出すというサイクルを回し続けていきたいです。