PAC-MAN SPIN MEMORY 256

PAC-MAN SPIN MEMORY 256

Artist:MuSuHi
Project:PAC-MAN×IP-Art 妙心寺桂春院 ただ今ココ
Date:2025
Copyright:PAC-MAN™& ©BNEI

本作《S P I N M E M O R Y 256》は、ジョイスティックによって光と回転速度をコントロールできる、体験型アートインスタレーションです。
1980年に登場した8bitゲーム『PAC-MAN』の構造を円環的に再構成したもので、盤面の中心から外周に向かって、1 → 8 → 16 → 24 … と「8n」で増殖するPAC-MANたちは、最外周で256(Kill Screen)の臨界点に達します。

この回転盤装置では、描かれた原画が回転し、光と速度の干渉によって見え方が変化します。そこには、デジタル映像のような時間の区切り=“フレーム”は存在せず、一枚の円盤の上に、すべてのプログラムが設計図のように可視化されています。
プレイヤーはジョイスティックの「上・下」で光を、「左・右」で回転速度を操作しながら、2 5 6 という秩序がほどけていく瞬間を自らの手で体験します。
それは、PA C - MANが目の前のドットを食べ続けるように、私たちが「いま」という瞬間を観測し続けることの意味を映し出す―あなた自身の観測と体験のゲームです。

Artist : MuSuHi
MuSuHiは、体験を通じて事象を結びつけ、認知の拡張を目的とするアートコレクティブです。

私たちの活動は、日本古来の二つの概念に根ざしています。
ひとつは、異なるものを結び合わせ、新たな関係性を生み出す力「結び(むすび)」。もうひとつは、その語源であり、森羅万象を生み育む根源的な力「産霊(むすひ)」。この二つは陰陽のように相対しながら調和をなし、万物が生まれ、育ち、循環する原理を示しています。

MuSuHiは、この思想を背景に、目に見えない気配を「構造」として立ち上げ、再び「感覚」として還す営みを繰り返しています。場に漂う響きを感知し、それを可視化・構造化することで、観る者は自らの身体を通して、まだ名づけられていない兆しに触れます。そして、その兆しが次なる行動へとつながるとき、個と個、環境と人、過去と未来のあいだに共鳴が芽生えていきます。

私たちの表現の中心はインスタレーションです。光、音、映像、そして空間を総合的に用いることで、作品は単なる「鑑賞対象」ではなく「場」として立ち上がります。その場は、人々がただ訪れる場所ではなく、自らの身体と意識を通して共鳴し、他者や自然、未来との関係を再発見する触媒となります。

MuSuHiの活動がめざすのは、「私たちは世界をどのように認知しているのか?」という問いを体験のかたちで提示することです。合理と不可視を行き来するプロセスが次なる行動と結びついたとき、私たちはそこに分断をほどく力を見いだします。生命の連続性を紡ぐ糸口が立ち上がり、人と世界の関係はより豊かに結び直されると信じています。