2022年05月10日
リアルエンターテインメントにおけるDXとは? 経営と現場、それぞれが見据える可能性 (後編)
DX部
菅野 和民 KAZUHITO SUGANO
【プロフィール】
1998年入社。入社以来ゲームセンター事業に長く関わり、エリアマネージャーとして事業戦略チーム、営業管理チームなど多方面から現場の運営に携わる。2019年に経営企画部に異動し、中期計画の策定プロジェクトや部署横断のプロジェクト推進などを担当。
DX部 ビジネスインフラ課
谷代 一東 KAZUTO YASHIRO
【プロフィール】
2019年入社。経営企画ディビジョン事業推進部を経て、翌年プロダクトビジネスディビジョンマネジメント部ネットワーク推進課に所属。システムの開発支援や運用などを担当。
2022年4月、バンダイナムコアミューズメントにDX部が新設されました。菅野さんと谷代さんは新年度から、DX推進の旗手となるこのチームに所属し、社内環境はもちろん、サービスのデジタル化や、グループ間の連携まで視野に入れて活動をスタートします。
今回の対談では、経営と現場、それぞれの視点から見えるデジタル化の課題や可能性、DXが生み出す新たな価値についてお2人に語り合っていただきました。
前半はそれぞれのキャリアを振り返るとともに、リアルエンターテインメント市場やバンダイナムコアミューズメントの現在地を考えます。
※内容は、2022年3月の取材をもとに構成されています。
今後、DX部としてどんな取り組みを考えていますか。
また、それによって、事業や社員にどんな変化が期待されますか。
菅野)
まずは事業ごとに培ってきたデジタル基盤やノウハウ、人材などを全社的に最適化することが、私たちDX部に期待されているミッションだと認識しています。
例を挙げるなら、ネットクレーンモール「とるモ」は、リアルのクレーンゲーム機をオンラインで操作するという意味でOMO※1の一形態です。アナログからデジタルへの置き換え、もしくは融合は、DXの初期段階。デジタル化したものを繋げ、新たなサービスを生み出すことではじめて“トランスフォーメーション”と呼ぶことができます。
そして、新たなサービスを、アナログが抱えていた空間や時間の制限なく多くのお客様にお届けし、体験していただきたいと思っています。
谷代)
技術の変革に加え、IP※2のさらなる活用も考えられます。IPの市場は絶えず流動しているので、ニーズの正確な把握がカギになります。グループ内の情報を集約すれば、誰もが手軽にデータを入手・分析できます。それによって、お客様に本当に楽しんでいただける商品やサービスを打ち出すことができるのではないでしょうか。
菅野)
IPはグループ会社間を繋げる重要な存在ですからね。
逆に、それ以外では、会社間の連携が活発でないようにも感じます。いざ成長しようとしたとき、グループのアセットが活用できないのは機会損失になりかねません。DXの推進により、バンダイナムコアミューズメントとグループ各社との連携・協力体制も、より強固になれば理想的ですね。
※1 OMO:Online Merges with Offlineの略。オンラインとオフラインの融合により、より良い商品・サービスを提供することを指します。
※2 IP:IP:Intellectual Property の略で、キャラクターなどの知的財産のことを指します。
現在の業務やDX部の立ち上げについて、どんなやりがいや期待を感じていますか。
谷代)
現場に出向くことが多いので「助かった」「ありがとう」と直接声をかけてもらえる機会が多いのは、嬉しいです。システムの仕事は売り上げに直接関与することはできないのですが、皆さんを支え、頼りにしてもらえる関係はやりがいに繋がります。
DX部が本格始動するのはこれからなので、新しく見つけるやりがいもあると思います。DXの推進において、社員の皆さんの協力は不可欠。うまくいかないこと、わからないことは、私たちがしっかり支えていきます。
菅野)
谷代さんは誰に対しても、献身的な姿勢で取り組まれています。たとえばインターネットが繋がらないという問い合わせがあったら、メールや電話で済むかもしれないのに、可能な限り直接現場に行って対応してくれる。それぞれの事業の前線で頑張っている社員を、力強く支えていると感じます。
谷代)
ありがとうございます。
菅野さんは、経営企画部として会社を動かす立場でもありますが、どんなところにやりがいを感じていますか。
菅野)
会社が変化していくことで、自分たちが自信をもって生み出してきたサービスをより多くの人に楽しんでいただけるようになります。その過程に貢献できるのは大きなやりがいです。
お客様にご満足いただき、会社として利益を上げていくことで、人材や事業への再投資も加速します。そうすると結果として、さらに質の高いサービスをご提供できます。DXを通して、そんなサイクルを構築したいですね。バンダイナムコグループのなかでも、もっとバンダイナムコアミューズメントの存在感を出していきたいと考えています。
最後にお互いへ向けて、メッセージをお願いします。
谷代)
菅野さんに対しては、とにかく、これからお世話になります! の一言です。
菅野)
こちらこそ、お世話になります。谷代さんには、バンダイナムコアミューズメントに来てくれてありがとう、とお伝えしたい。多くの現場で活躍し、ご自身も成長意欲を持ってくれていますので、さらなる活躍を期待しています。
谷代)
菅野さんとお話ししていると、共感できる部分がとても多いので、ベクトルを合わせて取り組んでいけることにわくわくしています。
菅野)私はバンダイナムコアミューズメント一筋でここまできたので、組織や事業がどこまで成長していくのか、とても興味があるんです。また、転換期というのは困難も多いですが、チャンスも得やすい。次の世代がどんな新しいことに挑戦していくのか、今から楽しみです。