2023年05月12日
私たちだからこそ出せる最適解を求めて
八木橋 貴子TAKAKO YAGIHASHI
【プロフィール】
2007年にバンダイナムコゲームスに入社し、携帯電話ゲームコンテンツの開発を担当したほか、2012年には社内公募制度により、バンダイナムコグループ共通基盤の立ち上げメンバーとして活動。2017年、バンダイナムコエンターテインメントでのアミューズメント施設のシステムやアプリ開発を経て、翌2018年にバンダイナムコアミューズメントに異動し、現在はDX部ビジネスインフラ課で、インフラコンテンツ開発のコンサル支援を行っている。
グループ数社を経験し、社内ネットワークや共通基盤といったインフラ整備から、ゲームや施設のシステム開発まで、第一線で幅広く携わってきた八木橋さん。現在は2022年4月に新設されたDX部において、インフラコンテンツ開発の中心的存在として活躍しています。後編では、仕事におけるこだわりや、コミュニケーションの工夫についてお話しいただきました。
※内容は、2022年11月の取材をもとに構成されています。
お仕事に対する八木橋さんのこだわりを教えてください。
仕事に100%は無い。だからこそ、相手のニーズに対する最適解を導き出すことにこだわっています。
ビジネスインフラ課への依頼の多くは、サービスの安定稼働が目的です。しかし同じ目的であっても、より良い方法や新しい技術はないかと、日々クリエイティブな姿勢で取り組んでいますし、“10”という予測に対して“11”の成果を上げたいという熱意を常に持っています。こだわって取り組んだ結果が、誰かの役に立てば、それは次なる仕事へのモチベーションにもなります。
それと、本当に基本的なことですが、「ありがとう」という言葉はささいなことでもきちんと相手に伝えます。社内外問わず、誰とのどんな仕事においても、感謝を伝えることはとても大切なコミュニケーションです。
常に最適解を出すため、心がけていることはありますか。
仕事とは、自分1人で完結するものではなく、必ず“相手”がいます。そのため、いかに相手に伝わるか、相手に伝えるかといったことを常に考えています。たとえば打ち合わせの場では、口頭やテキストだけの説明ではなく、資料や図を用意して、視覚的に認識合わせをしています。また専門的な話になりすぎないように「やりたいことは、このコンテンツの、この機能に近いでしょうか?」と、相手にとってイメージが湧きやすい事例を挙げることもあります。
また、どの部署のどんな相談にも応えられるよう、社内外の新しい情報は積極的にキャッチして、ストックしています。「これとこれって、同じ手法なのでは?」「これをやりたいなら、こっちのシステムも必要じゃないか?」などなど、広く全体を把握しておくと、互換性や応用できる点に気づきやすくなります。
ただし、特定の誰かの能力だけが高まるようでは、あまり効果的ではありません。得たものは極力、全員で共有して、チーム全体の底上げに繋げています。ちょうど最近も、とある部門からの相談を受けて「こういう方法を採用すればコストを下げられる」「管理の負担をもっと減らしたほうがいい」など、チーム内でアイデアを出し合いました。自分を含めたメンバーそれぞれの知識やスキル、経験が結集すればこそ、これまでにない発想で、より良い回答が導き出せるのではないでしょうか。
これからの夢や目標を教えてください。
年齢もハンデも関係なく、誰もが“楽しい”と思えるゲームや遊びを開発したい、という夢があります。かなり前のことですが、社内で、車いすに乗ったまま遊べる『太鼓の達人』や『ワニワニパニック』専用機を販売していたことがあります。今ならもっと規模を大きくして、たとえば移動式のゲームセンターをつくり、病院などの施設を訪問できれば素敵ですね。
機械やシステムの開発とともに、そういった事業が、ビジネスとして安定的に収益を上げられる仕組みづくりも必要です。困難なテーマではあるものの、ハンディキャップを気にしないエンターテインメントへの需要は高まっていますし、五感を刺激する体験はリアルにしかない強みです。実現できれば、リアルエンターテインメントにとっても大きな飛躍となるでしょう。