第35回2009.7.29
某日深夜、品川未来研で殺人事件発生。被害者は高橋テツオ(?歳)、翌朝会社の自席で頭を強く殴られ突っ伏しているところを発見された。
捜査一課からベテラン刑事“タケナカ”、熱血刑事“ナガマツ”、新人刑事“ヤマモト”が駆けつけた。
ナガマツ:
『おやっさん、これは…』
タケナカ:
『見てみぃジュウドー。ダイイング・メッセージや。名前のようやな。』
ナガマツ:
『ま…え…… に?』
ヤマモト:
『まえに、…ですか?』
タケナカ:
『そうや、“まえに”や。これは“まえに”の仕業やで。』
ヤマモト:
『“まえに”なんて名前ありますかね…。何か違うんじゃ…?』
ナガマツ:
『こらヤマ、お前おやっさんの推理を疑うつもりか!』
ヤマモト:
『エ!?す、すみません。“まえに”調べてきます!』
タケナカ:
『待てヤマ。調べるいうてまたあのインターネッツやら何やらいうコンピューターのアレで調べるつもりやないやろうな。マイコン世代っちゅうやつか。』
ヤマモト:
『マイコン?…だ、ダメですか?』
タケナカ:
『ヤマ。ええかヤマ。男なら、いや“漢”なら、捜査は足で…やろが!』
ナガマツ:
『オス!おやっさん!!聞き込み行ってきます!!』 ガチャバタン。ダダダ…
ヤマモト;
『ちょ…どこ行く気ですか先輩!? あ!おやっさん!テツオが手に何か握り締めてます!』
タケナカ:
『ん?電話番号かなにかのメモやろ、そんなもんほっといて聞き込み行かんかい。』
ヤマモト:
『エ!?? で、でもマル秘って書いてあるし…』
タケナカ:
『アホ。会社いうんはな、何にでもマル秘やら書いてかっこつけとるモンなんや。お前は若いからわからへんだけや。ええから聞き込み行ってこんかい。』
出社してきた社員:
『どうも、まえだです。あっ!』
タケナカ:
『ああ、ご苦労さんです。この人の上司ですか?』
まえだ:
『いいえ、そんな人知りません。』
タケナカ
『そしたら、“まえに”って人に心当たり無いですか?』
まえだ:
『知りません。あ、この紙アテンザ…じゃなかった、なくしたやつだ、持って帰っていいですか。』
タケナカ:
『ああ、ええですよ血ぃ付いてますが。こらヤマ、早よ行かんかい!』
ヤマモト:
『エエ!? あ、はい!行ってきます!』 ドタドタ…
まえだ:
《ククク…》
タケナカ
『“まえに”…か。 誰なんや……』
大きな謎と“ヤマモト”の心に生まれた小さな疑惑を残して次回に続く…?
謎に包まれたこの事件、犯人がわかった名探偵は『ご意見箱』へ!
※フィクションです。…念のため。