第6回2009.1.21
私の名はジュリア・アービング。
その筋では『ドクター・J』の異名を取る敏腕ネゴシエーター。
ネゴシエーターって名乗ってるけど、仕事は交渉事以外の多岐にわたる。
まあ平たく言うと“何でも屋”ってところかな。
さて、時はさかのぼって、2008年の夏。
その日、私は知り合いのマエダPって人から連絡を受け、
東京は品川の未来研究所って建物に足を運んだ。
「あーオレオレ、オレだけど。
今って夜の10時だけど、オレの下僕……じゃなくて部下の“フクスケ”ってヤツがちゃんと仕事してるか見てきて欲しいんだけど。
今すぐ。ナウね。ナウで。
あ、ギャラはいつも通りウチダDに請求しといて」
……私は、ギャラを払ってくれるなら余計なことは聞かない主義。
早速、調査開始!
まずはフクスケってヤツを……あ、居た居た。
廊下の空きスペースのテーブルに居る、アイツがそうね。
マエダPからの情報通り、ナンとも冴えないとしか言いようの無いヤツねー。
ジュリア:
こんばんは〜 アナタが“フクスケ”ね?
“フクスケ”と呼ばれた男:
わっ!? だ、誰ですかアンタ!?
ジュリア:
これはこれは申し遅れました。
私はジュリア。
とある人に頼まれて、アナタの仕事状況を調査しにきましたよー。
早速だけどフクスケ、何でこんな廊下の、しかも明かりのついてないところで仕事してるんすか?
……あ、もしかして自分の机が無いんですか?
うわっごめんなさい、余計な事聞いちゃいましたね私。
フクスケ:
ち、違うっすよ!
これは機密性の高い作業内容だから、人目につかない所でやらなきゃいかんのですよ!
実は仕事サボってネットサーフィンしてるわけでも無いし、
他人には見せられないようなWebサイトなんて見てないッス!
ジュリア:
誰もそこまで言ってませんけどねー。ま、いいか。
聞いたところによると、フクスケは、『マキサンDX』でクルマに関わる作業を担当してるんすよね?
フクスケ:
『マキサンDX』???
……もしかして今度発売される予定の
『湾岸ミッドナイト マキシマムチューン3DX』の事?
ジュリア:
あーそうそう、そんな名前。
私、ゲームに疎いんで、適当に略させてもらいました。
フクスケ:
栄養ドリンクみたいだな……。
以後、『湾岸マキシ3DX』でお願いしますよ。
それはさて置き、ええと、はい。
その『湾岸マキシ3DX』から、高橋テツオDXさんのサポートをすべく、
2008年の春頃から、湾岸プロジェクトの一員となりまして。
主にクルマの3Dモデルとかテクスチャとか、エアロパーツのデザインなんかをチェックしてます。
『湾岸』シリーズの前の仕事は……
ジュリア:
いやアナタの過去はどーでも良いっす。
(こんな冴えないヤツを入れるとは……よっぽど人手に困ってたんだな、
マエダPは。ホンのちょーっとだけ気の毒かも)
……ふーん、それで、今そのディスプレイに映ってるのが『マキサンDX』のクルマなんすね。 ↓ナンてクルマ?
フクスケ:
あーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?
しまったぁ! 見られた!
このクルマはまだ世間に発表されて無い新型車なんですよ!
だからナイショで秘密で内密にコッソリと作業していたのにー!
ジュリア:
(さっさと隠せばイイのに……こんなヤツに任せる人に問題ありだナ)
へーそうなんだ。
大丈夫、私、クルマに疎いんで、それ見てもナンだかわかんないから。
いやホント、最近までベ●●は日本車だと思ってたくらいなんで。
フクスケ:
マジかー!?
ゲームにもクルマにも疎い人が、何でここに……ちょほー……。
それでも、頼みますから、ホントに誰にも言わないでくださいよー!
メーカーさんから怒られる程度じゃ済まないし、
ヘタしたらホントにボクの机が会社から無くなるからー!
マエダPからも、
「テメー 今度ヘマしやがったら、湾岸チームからFA宣言しやがれ」って
通告されてるんだからー!
そんな事になったら、一緒に暮らしてるネコのご飯がー……。(涙)
ジュリア:
ネコ。じゃあネコのご飯のために、このクルマの事は黙ってておきましょう。
それにしても、厳しいかん口令が敷かれてるんですねー。
フクスケ:
そうなんスよ。
限られた人以外に画像を見せるのはNG、
車名を社内で呼ぶことも禁止なのです。
なのでわざわざコードネームを考えて、それで呼んでるくらいだから。
データのやり取りだって、パスワードをかけるのは当然。
メーカーさんに確認取る時も、ウチダDが直接、持参する事になってるし。。。
ジュリア:
それはそれは……大変ですねえ。(ウチダDが)
フクスケ:
3Dモデルを作るのも大変なんスよ。
普通は実車を撮影したり、本屋で資料を買ってきたりするんですけど。
当然ながら、このクルマはまだ売ってないので、撮影は出来ないし、
資料だって発売されてない。
メーカーさんからお借りした、限られた写真資料だけを元に立体化していかなくちゃならないんスよ。
幸い、モデル担当者はスキルの高い人なんで、非常に良い完成度まで来てると思いますけど。
ジュリア:
ほー 凄いじゃないですか。(モデル担当の人が)
フクスケ:
新型のスポーツカーが、その発売後程なくして『湾岸マキシ3DX』で運転できる……。
そんな楽しみをプレイヤーの皆様に提供するために、色々な人が目に見えない苦労を重ねてるってわけです。
エアロパーツも当然、新規デザインのモノを用意したので、ぜひともその目で確かめてもらいたいです。
ジュリア:
何でそんなに宣伝口調なんすかー。
ま 良いけど。
さて!
んじゃ私はこれで!
Z34型フェアレディZ、
『湾岸マキシ3DX』で走らせるのを楽しみにしてまーす!
フクスケ:
全部聞いてきてたんじゃねーかテメー!!
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え〜
Z34型フェアレディZ、解禁まで今しばらくお待ちください!
そしてぜひともお近くのお店の、
『湾岸マキシ3DX』で走らせてみてください!
(ついでに、デザイナー:ジュフクの事もちょっとだけお見知りおきを……)