九条 彩華(あやか)「お嬢様とお買い物」

○月×日 くもりのち晴れ。
今日は街でショッピング。

荷物持ちは××さん。
他ならぬ、このわたくしのショッピングに付き合えるとあって、××さんも大喜びで荷物を持って下さいましたの。

お礼に今度デートにでも誘ってあげようかしら?
でも、あんまり優しくすると殿方はすぐにつけあがるから、ほどほどにしなくてわね。


主人公 「あの〜・・・」
あやか 「ん〜・・・なんですの〜?」
主人公 「これ以上・・・まだ洋服選ぶわけ?」
あやか 「まだって・・・さっき来たばかりじゃございませんこと?」
主人公 「だってさ、もう10着以上・・・」
あやか 「あら、これ素敵・・・ねぇ、あなたもそう思わない?」
主人公 「え・・・あ、ああ・・まあ・・・」
あやか 「じゃあこれも・・・っと・・(ポイッ)」
主人公 「ちょ・・ちょっと・・」
あやか 「ふむ・・・取り敢えず、こんなところかしら・・・さ、行きますわよ」
主人公 「え?行くって・・レジはあっち・・」
あやか 「なにおっしゃってるの?試着室に決まっているでしょ」
主人公 試着室?・・・な・・なんだ、全部買うんじゃなかったのね」
あやか 「当たり前ですわ。一度袖を通してみませんと、本当にわたくしにふさわしいお洋服かどうかわからないじゃございませんこと?」
主人公 「そ・・そりゃ、確かに・・・」
あやか 「さ、つべこべ言ってないで、さっさとお洋服を運んで下さる?」
主人公 「・・・へ〜い」

あやか 「さてと・・・」
主人公 「・・・(じ〜)」
あやか 「ん?・・・なにか?」
主人公 「あ・・(カアッ)・・いや、別に・・」
あやか 「コホン・・・わたくしの着替えを手伝っていただけるのかしら?」
主人公 「う、うん・・・え!?あ、いや!そんな事は・・・」
あやか 「・・・それじゃ、そちらで待っていてくださいますこと?」
主人公 「・・・は〜い」
シャッ・・・
主人公 「・・・・・」
シャッ・・・
主人公 「ん?どしたの?・・・忘れ物?」
あやか 「・・・・覗いたら、承知しませんことよ」
主人公 「だ・・誰が!」
あやか 「くすくすっ」
シャッ・・・
主人公 「・・・ったく・・・」
・・ガサ・・・ゴソ・・・
主人公 「・・・・・」
・・・シュルル・・・
主人公 「・・・・(ドキドキ)」
・・・パサッ・・・
主人公 「ゴクッ・・・・(き・・聞き耳立てるのは、犯罪じゃないよな)」
あやか 「・・・コホン」
主人公 「わあっ!・・・ご・・ごめんなさい!」
あやか 「え?・・・今、何かおっしゃいました?」
主人公 「あ、いや、別に・・ハハハ!・・・(なんだ、ただの咳か・・)」
あやか 「・・ん?・・あらら・・・」
主人公 「ん?どしたの?」
シャッ・・・
主人公 「あ、着替え終わ・・・わ!?・・ちょ・・ちょっと、背中開いてるって・・・」
あやか 「背中のファスナーが引っかかって・・・悪いけど上げてくださる?」
主人公 「(ドキッ!)え!?・・・あ・・ああ・・いいけど・・」
あやか 「お願いね」
主人公 「し・・・しつれいしま〜す・・・(ドキドキ)」
ジジ・・・
主人公 「う・・・(ブ・・ブラのヒモに引っかかってる・・)」
クイクイ・・・
主人公 「・・・・(い・・いかん、平常心・・・)」
クイクイッ・・・つん
あやか 「(ピクッ)」
主人公 「わわっ!ゴ・・ゴメンなさい!」
あやか 「もぉ・・・さっさと上げてくださらない?」
主人公 「・・は・・はい・・(しくしく)」
ジ・・ジジー・・・
あやか 「ふむ・・・悪くないわね・・・うふふっ!どうかしら?」
主人公 「あ・・・ああ、よく似合ってるよ」
あやか 「まあ、心のない言い方ですこと・・・ホントはわたくしの事なんてどうでもよろしいんでしょ」
主人公 「そ・・そんな事無いってば!」
あやか 「フン・・・どうだか」
主人公 「ホントホント!マジで似合ってるって!最高!」
あやか 「くすっ、結構ですわ・・・それじゃ、次のを・・・」
主人公 「え?まだ試着するの?すごく似合ってんだから、これでいいじゃん」
あやか 「なに言ってるんですの?全部試着してみないと決められませんでしょ?」
主人公 「うひ〜!」
・・・2時間経過
あやか 「・・・どうかしら?これ」
主人公 「ああ・・いいんじゃない・・(げっそり)」
あやか 「・・・ん〜・・・よし、決めましたわ」
主人公 「(や・・やっと、解放される・・)・・ホ・・ホント?・・どれ買うの?」
あやか 「全部いただくわ」
主人公 「・・・全部ね・・・はは・・・(だったら、最初からそうしろって・・・)」
あやか 「さてと・・・それじゃ、次のお店に行きますわよ」
主人公 「え?・・次って・・今度は何買うの?」
あやか 「何って・・・お洋服に決まっているでしょう?」
主人公 「えええっ!?まだ、洋服買うわけ!?」
あやか 「当たり前ですわ・・・今日はとことん、わたくしに付き合わせて差し上げますからね。ありがたいと思いなさい」
主人公 「は・・はは・・(ガーン)」
あやか 「ほら、早く荷物持って・・・行きますわよ〜」
主人公 「・・・は〜い・・・(しくしくしく)」