九条 彩華(あやか)「カツカレーもうまいよ」

○月×日 くもり。
今日は、わたくしの専属シェフが急病でお休み。

そしたら××さんが、わたくしを無理やり学食に連れて行って・・・。
まったく・・・あんなみすぼらしくて不衛生なところで食事なんて、冗談じゃございませんわ。

しかも、カツカレーだなんて・・・。
・・・でも・・・ま、たまには庶民の食べ物を試してみるのも、悪くないかもしれませんわね・・・ふふっ。


あやか 「カツカレーねぇ・・・はぁ〜・・・仕方ございませんこと」
主人公 「マジでここのカツカレーうまいんだって!俺、カレーにはちょっとうるさいからさ・・・ほら、さっさと食券買おうぜ!」
あやか 「え?・・・なんですの、この自販機」
主人公 「食券だよ食券!食券買わなきゃ食えないだろ?」
あやか 「食券?・・・???」
主人公 「え?・・・食券知らないの?・・・マジで?」
あやか 「なんですの?食券って」
主人公 「うわ〜、食券も知らないなんて・・・ほんっとに世間知らずのお嬢様なんだな〜」
あやか 「バ・・・バカにしてるんですの!?」
主人公 「い・・いや、そんなつもりじゃないけどさ・・・」
あやか 「フン!」
主人公 「まあまあ・・・ほら、カツカレー俺がおごるから機嫌直してよ・・・え〜と、カツカレー・・400円っと」
あやか 「・・な・・なんて安い・・(ガーン)」
主人公 「ほらほら、九条さんもお盆持って・・・そこに食券出して並ばないと」
あやか 「まぁ・・・全部セルフサービスなんですの?」
主人公 「あたりまえでしょ、学食なんだからさ・・・あ、コップに水汲んで行くの忘れないようにね」
あやか 「・・・ああ・・・めまいが・・・(クラクラ)」

主人公 「さてと食うか・・・・ん?どしたの?」
あやか 「・・・なんですの・・・この上に乗っている物・・・」
主人公 「え?なにって・・・トンカツだよトンカツ」
あやか 「・・・この薄さ・・・これ、お肉を入れ忘れたんじゃ・・・」
主人公 「ちっちっち、分かってないな〜・・・カツカレーのカツは薄いほど美味いんだぜ!」
あやか 「へ?」
主人公 「ペラッペラの豚肉をカリッカリに揚げたカツがカレーには一番合うんだよ!これ、いろんなカツカレーを食べ歩いてきた俺の結論!」
あやか 「・・・・・」
主人公 「あ、信用してないな〜?いいから食ってみなってば!ホラ!」
あやか 「・・・はぁ〜・・・まったく、そんなバカな話が・・・・・・(パク)」
主人公 「・・・・・」
あやか 「・・・ん?・・・(モグモグ)」
主人公 「・・・どう?」
あやか 「・・・コ・・・コホン・・・・・まぁ・・・そんなに悪くは・・・ございませんわね」
主人公
あやか 「べ・・別においしいとまでは・・・」
主人公 「じゃあ、おいしくなかった?」
あやか 「・・まあ、おいしいかおいしくないかと聞かれたら・・・おいしいと言えなくもないですけど」
主人公 「ったく、素直じゃないな〜・・・ま、庶民の食べ物には庶民の食べ物のうまさがあるって事でさ・・たまにはいいだろ?こういうのも」
あやか 「コホン・・・まぁ、たまには・・・ね(パク)」
主人公 「そうだ!じゃあ今度、俺のお薦めの蕎麦屋に連れてってあげるよ!ここのカレーもうまいんだな、これが」
あやか 「カレー?・・・蕎麦屋なのに?」
主人公 「ちっちっち・・・蕎麦屋のカレーってのはまた格別なんだよ・・・和風ダシがきいててさ〜」
あやか 「ふ〜ん・・・」
主人公 「どう?食べたくなってきたでしょ?庶民の味」
あやか 「いいえ、ぜ〜んぜん」
主人公 「ちぇっ・・・」
あやか 「・・・うふふっ(パク)」